こんにちは^ ^
ペパーミントあいです。
平成28年夏場所2日目。
NHK中継中入りの時間に、八角理事長(元北勝海)のインタビューが行われました。
今場所から八角理事長(元北勝海)の下、相撲協会が新体制となったため、それに向けてのお話を伺ったようです。
八角理事長(元北勝海)のインタビュー
インタビューアー : 三瓶宏志
Q. 新体制となって最初の場所ですが、初日はどうご覧になりましたか?
「おかげさまで満員御礼になりましたので、本当にありがたいなという気持ちでいました」
Q. 上位陣も全員勝ちましたからね。
「ふだんの力を発揮出来て、良かったと思いますねぇ」
Q. その満員のお客さんが、今場所は国技館に入ってきて、エントランスホールに、初場所までは売店があったんですが、あれがなくなって、錦絵が綺麗に見えるようにまりました。あのあたりも理事長の発案だと聞きましたけれど?
「そうですね。国技館が出来て30年経つんですけども、出来た当初はですね、錦絵を見せるために出来てるんですよね、この通路というものが。それを戻したということですね。相撲の重みと言いますか、ここを通って行って、桟敷席に来てほしいなという思いがありまして。伝統ですから」
Q. 江戸時代の雰囲気を、ということをおっしゃってるんですよね?
「中に入れば、江戸時代とやっていることはほとんど変わらないわけですから、昔の雰囲気を味わってほしいという思いですね」
Q. それが理事長になられて、取り組みたかったことの一つですか?
「そうですね。一つですね」
Q. あとよく理事長は、北の湖前理事長のあとを引き継いで、「土俵の充実」ということをおっしゃいますが、土俵の充実というのは、どういうところから?
「北の湖前理事長の意志を受け継いでいるんですけども、私自身もですね、数年前に、お客様がなかなか入らなかった時に広報を任されてですね、どうしたらお客さんが来てくれるんだろうと、いろんな試行錯誤をしたんですけれども、せっかくお客さんが来てくれるのに、中身の、相撲の充実、土俵の充実ですね。相撲が面白くなかったら次がないんですね。ですから今後大相撲が支えられて続いていくには、いい相撲を見せないことにはないと思っておりますので。やはりいい相撲を見せることが一番だと思いますね」
Q. 理事長の考えるいい相撲とは、どういう相撲ですか?
「お互いが力を出し合った相撲ですね。力を出し合って、見ている人が体が動くような、そういう相撲を多く見せたいですね」
Q. 琴奨菊が初場所優勝したあたりから、少し相撲内容も活気付いたようにも見えますが?
「うーん、まあ、これはずっと続いてきているものですから、ただこの場所、初日を見ている限りは、いい相撲が多いのではないかという気持ちがありますね」
Q. 今場所は審判部が力士会で、立合いの手付きをしっかりやるように、所作も厳しく指導しましたけども、このあたりについては理事長、どういうお考えですか?
「その立合いの所作等は私から言ったわけではなく、審判部独自でそういう指導をしています。そういう指導をしましたと、藤島副部長(元武双山)から聞いています」
Q. 立合いの講習会なども、以前全力士を集めてやったことがありますが、そういったことは今後どうなのでしょう?
「やっていくと思いますね」
Q. やはりそういったことは必要ですか?
「はい。だんだん意識が薄れていくんですね。私たちの現役時代にもやりましたけども、こういうのは繰り返し繰り返し、若い衆の指導と一緒でですね、繰り返し言っていかなきゃだめだと思いますね」
Q. この相撲という文化を後世に残すためには、やはり新しい弟子が入ってこないと続けていけないと思いますが?
「一番の今の課題だと思いますね。新弟子確保ということが、一番、どこの親方も苦労していると思いますね」
Q. もっとも多かった平成4年が223人、今は74人まで戻ってきているんですけども、やはり協会全体の課題として捉えていらっしゃるんですか?
「もちろんそうですね。新弟子がいないことには次の世代に伝えていけないわけですから、今の親方衆の責任というのは非常に重たいですね。新弟子のスカウト、そしてその新弟子を育てるということではですね、親方の責任というものは非常に重いと思いますね」
新弟子検査 合格者数
平成4年 223
平成24年 56
去年 74
今年 71 (夏場所現在)
Q. 今は各部屋がスカウトをしているわけですけれども、それについては今後、どうですか?
「この体系は変わらないと思うんですけども、相撲協会として、サポートしていきたいと(思います)。資金面とか、いろいろな面でですね」
Q. 先月、熊本を中心とした大きな地震がありました。被災地支援については、協会のはたす役割というのはどのように考えていますか?
「協会としては、先の東日本大震災の折から、年に数回、慰問等行っておりますので、協会として出来ることは、短期として出来ること、長期に渡って出来ることがあると思うんです。ですから今後、いろいろと考えていきたいと思いますね」
(ここで、春巡業での募金の映像が流れる)
「この募金等はですね、力士たちが独自で、自分たちから言って、本当に今の現役の力士たちは偉いですよ。私たちの現役の頃にこうしたかなと思うと、なかなか出来なかったと思うんですけども、今の現役の力士たちはこういう風に積極的に(言い出してくれて)、頼もしいなと思いますね」
Q. そうですか。大変な激務かと思いますが、理事長として、今後どういう風に協会を引っ張っていきたいと考えておられますか?
「やはり一丸となっていかなきゃならないと思ってます。今後相撲協会を残していくためにどうしたらいいか、他の親方衆と考えながらやっていきたいと思いますね」
Q. スポーツ界は薬物の問題ですとか、違法賭博の問題があって、協会も先日、力士を集めて、その研修会を開きましたけども、ああいった研修会はこのあとも続いていくんですか?
「しょっちゅうは出来ないと思いますけども、続けていかなければならないと思っています。これも先ほど(立合いの講習会の時)言ったように、続けていくことが大事だと思いますね」
Q. 例えば今回は、不法行為を排除する研修会でしたけども、いろいろなテーマががあると思います。
「今後力士会だけ、行司会、審判部等、部署ごとにでも続けていければと思っております」
Q. 審判部?
「審判部だけだったら物言いのつく判定はどうしたらいいかとか、みんな意識を同じに持たなきゃだめだと思うんですね。今後の課題だと思いますね」
Q. そういったものを全員で共有して……
「意思統一ですね」
Q. 理事長は風通しのいい協会にしたいとおっしゃっておりましたけども、これは具体的にはどういう方向で進んでいるんですか?
「地方場所担当の親方に(協会)本部についてもらって、私たちの意思も伝わりやすい、地方場所の意思も伝わりやすい。審判部もそうですけども、巡業部にも一人つずつ入れてますので」
Q. 協会常勤の親方が増えたのですね。
「そうですね。ですから私どもの思っていることも伝わりやすいし、また審判部なり巡業部なりの思ってることも私たちに伝わりやすい。そういうことを思ってますね」
Q. 相撲人気が大変続いている中ですけども、このあとに向けて最後にお聞かせ願いますか?
「一番はお客さんに楽しんでもらうこと。そして大相撲の文化を残していくこと。そういう思いが強いですね」
感想
三瓶アナウンサーの質問に、よく相槌を打ちながら、答えて下さっていました。
主な内容は「土俵の充実」「新弟子の確保」「伝統文化の継承」について。
新審判部の面々が力士会に出向いて注意をした件は、八角理事長の指示というわけではなかったようです。
理事長は優しそうな方なので、審判部が厳しめの人たち、というくらいちょうどいいのかもしれないと思いました(笑)
「伝統文化として、力を出し合った相撲で土俵を充実させていきたい」というお話には、とても同感です。
ぜひ、その伝統を後世まで残してほしいです。